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サービス経営学部 大学の授業の様子を見たい
2023.12.26

【入試広報課Report】スポーツマネジメントの実践的学修を総まとめ!~知識と実社会が結び付く瞬間~

●プロ野球球団経営トップから学ぶ “リアルなスポーツビジネスの現場”

「今年は赤字です。ただ今後、長期的に黒字転換できる事業モデルを作っていくというのが私の役割です。」

2023年11月22日(火)のサービス経営学部の「サービスラーニング(スポーツマネジメント)」(1年生配当)の授業では、プロ野球チーム『埼玉武蔵ヒートベアーズ』の角晃多(すみ・こうた)代表取締役社長がスポーツビジネスについて講義してくださいました。冒頭のコメントは、角社長が講義の中で語った一節です。スポーツビジネスのリアルな一面と、社長としての責任の重さを感じます。

角社長によると、埼玉武蔵ヒートベアーズの年間の試合数は35試合で、年間総観客動員数は12,500人(1試合平均約350人)。チームの売上内訳を見ると、興行収入(入場料収入)は1割にも満たず、約7割をスポンサー収入が占めています。一方で、日本プロ野球リーグ(NPB)では、各球団の主催試合数は年間71試合もしくは72試合あり、1試合平均で2万9千人もの観客を動員していると言います。

角社長は、埼玉武蔵ヒートベアーズとNPBとの収入源の割合を比較し、今後は、ヒートベアーズの興行やライセンス、その他の事業の売り上げを伸ばし、スポンサー収入の割合を5割程度までに引き下げていきたいと語りました。

“黒字転換していく事業モデルを作っていくのが自分の役割”だと語る角社長。

リーグ優勝やドラフトへの選手排出を主たる目的としつつ、球団の価値を高め、より多くの方に球団を知ってもらう為、チーム独自のオリジナリティ溢れたプランニングをしていきたいと言います。魅力あるボールパーク運営や、カフェや接骨院の直営化など、今後の新しい事業展開に期待が出来そうです。

学生からは、
“球団スタッフを採用する時に重視するポイントは?”
“社長・監督・コーチ・選手の人間関係で大事にしている点は?”
“オーナーと社長の違いは?”

など、質問が出され、角社長は、一つ一つ丁寧に回答してくださいました。

角社長の講義は、学生にとって、学生自身の将来像を描く糧になると共に、座学で学んだ「スポーツマネジメント」の知識が、実際の社会と結びつく瞬間でもありました。このように本学での学びは深まっていくのだと感じました。

●振り返り、今後の学びの道筋を見出す

学生達は、この一年で、プロ野球の試合の企画・運営を経験し、スポーツビジネスの経営トップからお話を聞くことが出来ました。この経験から“何を学び、今後にどう生かしていくのか”。2023年11月5日(火)・12日(火)の二日間は、6つのチームに分かれて報告会を行いました。

学生達は、PDCAサイクルを循環させることを意識して振り返りを行っていました。

PDCAサイクルとは、『Plan:計画』、『Do:実行』、『Check:測定・評価』、『Action:対策・改善』という仮説・検証型プロセスを循環させ、マネジメントの品質を高めようとする概念です。スポーツの世界でも、スキルを上達させるために用いられます。

今回、学生達は仮説に基づいた論理的なPlan(計画)を試みていました。

例えば、このような形です。

・休日の為、球場に隣接する公園には子供連れが多いだろうと予測し、配布する為のチラシを、子供用と大人用の2種類用意する。


・球場まで道案内する時間が長いと考え、その間に「埼玉武蔵ヒートベアーズがどんなチームなのか」を説明できるように、下調べしておく。


・お客様に訪ねられる可能性を考え、トイレなど球場内の施設がどこにあるのか確認する。


・ストラックアウトのボールが転がったままになるとケガをする恐れがあるので、すぐに回収できるよう充分な人員を配置する。

そして、試合当日。実際にDo(実行)してみると、球場付近で大きなダンスイベントが開催されていて公園内での人の流れが変わったり、チーム内の欠員が出たり、野球場への来場者が同じ時間帯に集中したりするなど、想定していなかったことが起き、対応しきれなかった部分を反省する言葉が多く聞かれました。一方で、分担された仕事が早めに終わった際に、他にできることがあるかを探すべきだったという、意欲的な言葉もありました。【Check:測定・評価】

埼玉武蔵ヒートベアーズの角(すみ)社長も講義の中で「リピーター獲得の為には、運営が行き届いて対応がきちっとしているかを、大切にしている」と仰っていましたが、学生の多くのグループも、次回の企画・運営に向けてのAction(対策・改善)する点として、お客様への対応について挙げていました。

・お客様に丁寧に接し、お子様には、その目線に合わせて話しかける。


・運営を任された私たちがきちんと挨拶、仕事をする。


・ありがとうございます、を元気に言う事が、充実した会場運営に繋がる。

そして、本授業担当の田辺忠史教授と加藤三彦教授は、以下の事を、改めて学生達に伝え、授業を締め括りました。

「お客様から見たら、学生も“埼玉武蔵ヒートベアーズの運営の一人”として映っている」

 

学生達は、一年間のスポーツマネジメントの授業を通して、お客様からお金をもらってサービスをする“プロ”としての心構えや態度を、やっと意識するようになった段階かもしれません。今後、本学の実学教育や就業体験(インターンシップ)を通して、『本物』となっていく事を期待しています。

 

(入試広報課 中川)

👉2023年6月にBUNRIの学生達が実践した試合の企画・運営の様子は、以下よりご覧ください。

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